ステイトメント
本展は、作家主導による手作りの展覧会として2008年にスタートしました。今回文化庁主催事業となり組織は変わりましたが、その目的である「作家、批評家、観者による交通の〈場〉を形成し、次世代が育つ現場であること」は変わりません。20代から60代の作家30名と20名の執筆者が参加し、この重苦しい時代の空気と立ち向かう事になります。
今回は、会場が変わり表記の二会場となります。又、作家の選考方法が実行委員会の合議制から、四人の作家(伊藤誠、海老塚耕一、遠藤利克、岡崎乾二郎)それぞれの責任選考となりました。これによってより明確な視点が露になることでしょう。もちろんこの四つの視点が時代を代表するものではありませんし、各人向かう方向も異なっています。しかし、この選考方法により出品される作品群において形成される座標軸は、一つのモデルとして機能すると考えます。
3月11日以降、時代感覚や世代の感性という括りでとらえられ内向化・差別化してきた表現や批評は移動を余儀なくされるでしょう。美術は単に精神分析の対象ではありません。メデュウムの歴史性、神話性との格闘であり新たな構築への探求です。
人、物、記憶、固定化した場というプレートも移動し、多くの人々があの世へと移動させられました。この事態は、根源性や普遍性を唱えた者達や絵画、彫刻の自明性を信じる者達にも新たな関係性の構築を強いるでしょう。神聖な〈場〉は、視線の凝集した結晶個体=作品が〈ここ〉と示す役割を負っていますが、結晶個体は安定したものではありません。融解したのか流失したのか、今、行方不明になっています。その断片でも本展に於いて発見できればと考えます。
文責 戸谷成雄
展覧会概要
会期:2011年8月27日–9月18日(休場日:8月31日 ・ 9月7日 ・ 9月12日)
開場時間:10:00–17:00
入場料:無料
第一会場 : 所沢市生涯学習推進センター(埼玉県所沢市並木6-4-1)
第二会場 : 旧所沢市立第2学校給食センター(埼玉県所沢市中富1862-1)
参加美術作家
スタッフ
会場ボランティア
- 太田久美子
- 落合晃一
- 柿沼千里
- 木藤野枝
- 黒沢ゆかり
- 杉浦宏美
- 髙木美佑
- 田端友紀子
- 寺田藍
- 中山由海
- 堀内崇志
- 峰田裕美
- 梁井彩
- (計13名)
会場設営
- 青木祐里香
- 今村克
- 因幡芽唯
- 大矢享
- 小黒アリサ
- 茂木美里
- 武田龍
- 成田輝
- 根本祐杜
- 日橋賢洋
- 星野健太
- 増田稜子
- 松山雄太
- 山賀広大
- (計14名)
展示ガイド
前山裕司
山水明
菅原義之
梁井彩
青木知華
崎浜紗恵子
仙田ゆい
大久保慧人
(計8名)
タムラサトル/ワークショップ
神山菜月
塩川直子
増子いくみ
(計3名)
多田正美サウンドエンカウント
荒井陽子
塩川直子
増子いくみ
(計3名)
印刷物
デザイン:大石一義
写真:加藤健
カタログ概要
仕様:B5判、336頁(カラー+モノクロ)
デザイン:大石一義
編集:椎名節
写真撮影:加藤健
制作:大石デザイン事務所
発行元:所沢ビエンナーレ実行委員会
発行日:2011年10月28日
発行部数:1000部/価格:2,500円
印刷:公和印刷株式会社 馬場芳和
掲載内容:展覧会記録写真、参加執筆者による論考、イベント記録
参加執筆者
主催・助成等
主催:文化庁、財団法人所沢市文化振興事業団、所沢ビエンナーレ実行委員会
制作:財団法人所沢市文化振興事業団
助成:公益財団法人朝日新聞、武蔵野美術大学
協力:埼玉県立近代美術館、西武鉄道株式会社
後援:所沢市、所沢市教育委員会、日本大学藝術学部、多摩美術大学
所沢ビエンナーレ実行委員会
実行委員長:中山正樹
副実行委員長:伊藤誠、遠藤利克、戸谷成雄
実行委員:海老塚耕一、岡崎乾二郎、高見澤文雄、冨井大裕、水谷一
*実行委員は運営委員も兼務
所沢ビエンナーレ2011運営委員
ロゴデザイン、印刷物デザイン:大石一義
広報:戸谷成雄、水谷一(ウェブサイト作成・運営)
カタログ編集:椎名節
記録写真撮影:加藤健
広報協力:保谷香織
会計:戸谷多美子